雑学用語

格闘技で使う「勝負論」とは?「勝負論ある」の意味、使い方について説明します


みなさん格闘技で使う「勝負論」という言葉を聞いたことがありますでしょうか?
このページでは以下のようなことを説明させていただきますので参考にしてみてください。

・格闘技における勝負論の意味
・勝負論あるの意味
・勝負論の使い方
・総合格闘技における勝負論の具体例

格闘技で使う勝負論とは

格闘技で使う勝負論について説明させていただきます。
格闘技で使う勝負論とは「選手が戦う意味、哲学、バックボーン、ストーリー」のような意味です。
勝負論はある、ないのような使われ方が一般的ですが明確な定義はありません。

例えば一度負けた相手や因縁の相手と戦う場合は勝負論があります。
異種格闘技戦や流派を代表して選手が戦う場合も、選手・ファン・関係者の観点からいくと勝負論があります。
勝負論という言葉の使われ方は様々ですが、ざっくりした意味は以上です。

勝負論あるの使い方

勝負論あるの使い方について説明させていただきます。
「●●と▲▲の試合は勝負論ある」のような形で使います。

格闘技で使う勝負論の語源

格闘技で使う勝負論の語源ははっきりしていません。
勝負論という言葉は最近になって使われだした言葉です。

勝負論が格闘技を面白くする理由

勝負論が格闘技を面白くする理由について説明させていただきます。
他のスポーツ競技と異なり、格闘技は一試合の消耗が激しいので試合数をたくさん組めません。
また、同じ選手の対戦カードは二度と組まれない可能性もあるため一試合の価値が非常に高いです。
そのため対戦する選手の背景や理由付けなどがより重要になってきます。

格闘技ファンというのは単純に「勝った」「負けた」という結果だけを見たい訳ではありません。
また、純粋な格闘技テクニックを見たいという方ばかりではありません。
もちろんそれは格闘技の楽しみ方ではあるのですが、一つの要素にすぎません。
ファンがワクワクするのは試合を見るのが何か月も前からみたくなるようなストーリ性、つまり勝負論なのです。
勝負論が格闘技を面白くする理由は以上になります。

格闘技以外のスポーツの場合

格闘技以外のスポーツの場合はどうでしょうか?
格闘技以外のスポーツの代表例として野球を考えてみましょう。
野球は年間140試合以上行います。
年に何度も同じチームと対戦しますし、来年も同じチーム同士の対戦をみることができます。
優勝の行方が決まったペナントレース後半になると、消化試合や緊迫感にかける試合をみる機会は増えます。
野球の場合どうしても一試合一試合すべてに勝負論をもつことがむずかしいと言えるでしょう。

そのため野球ファンの中には好きなチームの勝敗のみの結果だけ知りたい、というようなファンも少なくありません。
格闘技ファンではそれはありえないことで、例え負けてもどうような負け方をしたのか?どんな技を出したのか?など過程を深く知りたい人がほとんどです。
以上が格闘技と他のスポーツにおける勝負論の比較です。

勝負論の具体例(総合格闘技のRIZIN編)

勝負論の具体例についてお話させていただきます。
最近の勝負論でいうと、総合格闘技(MMA)のRIZINの堀口恭司VS朝倉海などがいい例となります。
RIZIN18で堀口選手は朝倉選手にまさかの1ROK負けを喫します。
自身のキャリアで初のKO負け、敗北はUFC世界フライ級タイトルマッチ以来4年振りです。
UFCのトップ戦線を張っていた堀口選手が国内でなすすべなく負けたことに衝撃が走ります。

堀口選手はその後、右膝前十字靭帯断裂と半月板損傷によりリハビリを余儀なくされます。
一方で朝倉選手は元UFC選手である佐々木憂流迦を次戦で1RTKOで撃破。
またも大きなインパクトを残しバンタム級で最強を印象付けます。

そこで迎えたRIZIN26の大晦日の堀口恭司VS朝倉海です。
この試合は朝倉選手が保有するバンタム級タイトルマッチがかかった試合です。
堀口選手にとっては約1年4カ月ぶりの復帰戦です。
堀口選手にとってはリベンジだけでなく、自身のキャリアとプライドがかかっています。
試合の内容次第では年齢的に引退もちらつきます。
また、同じ選手に二回無様に負けたらプライドはボロボロです。
ベルト奪取といういみでも相当遠回りですし今まで築いてきた栄光のキャリアに泥を塗ることになります。

結果はカーフキックからの1RKO勝ちで堀口選手の圧勝でした。
このようにたった一分の試合にファンが手に汗握りワクワクするようなバックボーンがあるのです。
(もちろんベルトを失ってしまった朝倉選手側にも勝負論もあります。今回は長くなるため割愛します)
以上が勝負論の具体例になります。

勝負論とプロレス

勝負論とプロレスについて説明させていただきます。
プロレスにおける勝負論は少し特殊で勝ち負けよりも「戦う哲学」と言い換えたほうがいいと思います。

例えばどれだけ観客を盛り上げることができたか?というのはプロレスにおいて重要なポイントです。
本当は気絶するほどダメージを食らっていても涼しい顔をして反撃する、というのもその一つです。
プロレスにおける勝負論は選手それぞれ、ファンそれぞれが持っているものです。
プロレスはエンターテーメント要素が強いためどちらが強いか?という議論はあまり意味がなく一人一人が意味を見出すものと考えたほうがいいのではないでしょうか。

勝負論と総合格闘技

勝負論と総合格闘技について説明させていただきます。
総合格闘技における勝負論の例についてはすでに説明させていただきました。
総合格闘技の場合、客がこなければビジネスとして成立しないため選手の「強さ」と「人気」のバランスが非常に大切です。
イベントを打つ場合でも一日にできる試合数は限られているため、その中でしっかりと客を呼べる選手をセッティングする必要があります。

つまりいくら強い選手でも客を呼べない選手は微妙で、強さはそれなりでも人気のある選手は重宝されます。
そういった意味で試合内容・SNSなどのフォロワーとあわせて重要視されるのが勝負論なのです。
選手として強さが絶対条件なのは当たり前なのですが、このあたりを理解している選手が今後活躍する場を広げることは間違いありません。
以上が勝負論と総合格闘技の説明になります。